ロンドン・ヤングヴィック劇場の2017/18シーズン

シーズンのプログラムを組む作業というのはチャンスと劇場が目指すところをうまく合わせていくことです。
ヤングヴィックが目指すものとは、劇場で聞こえるヴォイス(意見)が常に今この時に語られるべきものであること、今必要とされている事柄であるということです。チャンスというのはそれらの声を聞くために適切なタイミングで適切な場所にいるように心がけるということです。

今シーズンのプログラムからはギリギリのところにいる人たちの声を聞くことができます—例えば、難民、黒人の労働階級の人々、若いゲイの女と男 など—彼らの声に耳を傾け、考え、声をあげましょう。(芸術監督 デイビッド・ラン)

The image photo of “The Jungle” at the Young Vic / Young Vic London

*The Jungle 「ジャングル」(7 Dec. 2017 – 6 Jan. 2018)
ジョー・マーフィー/ジョー・ロバートソン 作
スティーブン・ダルドリー/ジャスティン・マーティン 演出

イギリスへの密入国を企む中東やアフリカからの難民、移民が集まり、一時は一万人以上の難民で溢れたヨーロッパ最大規模の難民居住区となっているフランス北部の港町カレー。その難民キャンプの呼び名が「ジャングル」である。その不衛生な環境が懸念される一方で、長きに渡り放置されたのジャングルには簡易カフェやモスク、学校までもが建てられ、一大コミュニティーを形成しているというから驚きだ。
ジョー・マーフィー/ジョー・ロバートソンによるこの新作劇ではジャングルにおける「喪失」「怖れ」「コミュニティー」そして「希望」が描かれる。

*The Inheritance「継承」(2 Mar. 2018 – 19 May 2018)
マシュー・ロペス 作
スティーブン・ダルドリー 演出

アメリカ人劇作家、マシュー・ロペスによる新作「継承」ではニューヨークのポスト・エイズ世代のゲイ社会を描く。彼らの不安、社会での働きかけ、新しいコミュニティーの建設、そして新しいタイプの孤独、とは?若くして人生に行き詰まった彼らの求める愛とは?新しい価値観が横行する今日のアメリカで不動産業者、役者、母親、貧困生活者である彼らは皆、社会的に、政治的に、モラル的に、そしてセクシュアル的に最上の生き方を模索し続けている。

*Fun Home「ファン・ホーム~ある家族の悲喜劇」(18 Jun. 2018 – 1 Sept. 2018)
リサ・クロン 戯曲・詩
ジャニーン・テソリ 音楽
サム・ゴールド 演出

アリソン・ベクダルの2006年の大ヒット漫画をリサ・クロンが劇作化した今作。13年にNYのパブリックシアターで幕を開け、その後ブロードウェイに進出、トニー賞5部門を受賞している。

アリソンの自叙伝である今作では彼女の複雑、かつユニークな家族の模様が描かれている。この独創的なミュージカルは18年の2月に小川絵梨子の演出で日本での上演も決まっている。
NYの気鋭の演出家サム・ゴールドがUKキャストとともに新しいヤングヴィック版を作り上げる。