Mask/theater

「オペラ座の怪人」上演中止へ

Her Majesty's Theatre
In front of the Her Majesty’s Theatre in London.

Evening Standard紙より

全世界で多くの人々を虜にしてきた大ヒットミュージカル「オペラ座の怪人」の上演を打ち止めにすること(コロナ期間中の一時的なものでなく)をプロデューサーのキャメロン・マッキントッシュが発表、ウェストエンドの激震が走っている。

マッキントッシュは作品の作曲家であるアンドリュー・ロイド・ウェバーと共にコロナ禍での将来の作品上演継続を目指してきたが、ソーシャルディスタンスのための客席を大幅に間引いての公演は実際のところ、芸術面でも経済面でも不可能との判断を下したと話す。

ウェストエンドで8つの劇場を経営する(それぞれで「ハミルトン」「メアリー・ポピンズ」「レ・ミゼラブル」「オペラ座の怪人」などの超人気作が上演されている)マッキントッシュ。劇場主でありプロデューサーである彼は外部からの出資を受けていない、ウェストエンドで圧倒的な力を占める個人経営者であるが今回のコロナにより尋常ではない経済的打撃を受けたのだと説明。

感染症によるロックダウンにより少なくとも18ヶ月間は、演劇の制作ラインが停止状態になる(なっている)のだと話す。
 
すでに始まっている彼の職員たちー俳優、ミュージシャン、技術スタッフ、フリーランススタッフーの解雇、そして制作・管理者たちの半数以上のカットにどれほど心を痛めたか、と彼は訴える。「5月の始めに文科省のOliver Dowdenと政府サイドに政府からの経済援助が必要不可欠だと伝えました。先日、2,100億円のアートへの緊急支援が発表されましたが、それでは全く足りません。」

彼はさらなる経済支援、そして現実的な劇場再開のタイムラインを示すよう首相に再度嘆願したと言う。

来月(8月)からソーシャルディスタンスを厳守した上での屋内での公演が許可されるロンドンで、先週ロイド・ウェバーが自身のロンドン・パラディウム劇場でルールを守った形式のパイロット公演を行った。

「ありがたいけれど、やっぱりパラディウムは人で満杯でないと。。。」とは彼の正直なコメントだ。