
世界を股に掛けて活躍する活躍するダンサー、振付家で演出家、フランス芸術文化勲章(オフィシエ)をはじめ国内外で数々の賞を受賞している勅使川原三郎の本拠地、荻窪駅から歩いて3分のカラス・アパラタスで継続している「アップデイト・ダンス」シリーズの最新作アップデイトダンスNo.112「電気の夢」が開幕する。
勅使川原の「作品が成長する機会を自分たちで作り出したい」という思いから2013年に始まったアップデイトダンスシリーズ。最低8回(「電気の夢」は10回公演)の公演回数を課したこのシリーズでは、生まれたての作品を日々検証し、手を加えながら作品が育っていく過程を観客と一緒に見届けていくという、ダンスの劇場公演では数回の公演がほとんどという中で稀有の試みだ。
アップデイトダンスシリーズで産声をあげた作品はその後、劇場公演としてスケールアップしていく道を辿るものもあり、その中には海外での上演へと繋がる作品も。世界で喝采をあびる作品の源泉を見届ける楽しみもあるダンス公演は必見。
今回、112回目となった最新作「電気の夢」ではフランスの哲学者、詩的想像力の研究者ガストン・パシュラールの研究に着想を得た勅使川原三郎が自身の幼少時代の記憶へと旅をし、自身の夢想の素となるものについて探求したダンス作品となっている。
「際限のない夢想空間が、足跡を残さないステップとともに生命に際を 凝視するように時を刻みます。あなたとか私とか、ああなんて面倒な。つま先がすでに削られて、尖っては無くなり、無くなっては削り続け て尖らせた。ダンスの稽古は身体を削ること、そして肌の色を音楽と ともに変えること。季節に無縁の夢は、程度を知った電気の加減と破 損した電球との粉々の謎々問答。ドビュッシーからラヴェルそしてメ シアンとその逆行、重なり合う情熱、冷え切った夢が震えています。 照明と音楽と動きが作る消え続ける影、バシュラールが引用した詩の 言葉が影を追うページの裏側。影を無くした私かあなたかの呼吸の雲。」
勅使川原三郎
勅使川原三郎とアーティステイック・コラボレーターでありダンスパートナーである佐東利穂子が織りなす夢想のダンス「電気の夢」は6月21日に開幕し、日夜変化を繰り返す。

勅使川原三郎

佐東利穂子
「アップデイトダンス No.112 電気の夢」
出演: 勅使川原三郎 佐東利穂子
劇 場: カラス アパラタス/ B2 ホール 〒167-0051 東京都杉並区荻窪 5-11-15 F1/B1/B2
日時: 2025 年 6 月 21 日(土) – 7 月 3 日(月) *全 10 回公演
料金: 一般 予約 5,000 円 [当日 5,500 円] 学生 3,000 円(学生は予約当日共に)
予約: https://www.st-karas.com/updateticket112
HP: https://www.st-karas.com