West End theatre

英国の文化大臣が劇場の早期再開を望む、と発言

The Stageより

London Underground Piccadilly Circus
(c) Thomas Wong /Burst

英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省大臣Oliver Dowdenはクリスマスまでには観客へのテストを実施することで、現在のソーシャルディスタンスのルール無しで劇場再開が可能となるであろうという見解を示した。

このテストの実施がワクチンの摂取が可能になるまでの間の劇場運営の「短期的なカギ」となるであろうとDowdenは言う。

彼は新聞の取材に対し、劇場再開のロードマップの5段階(ソーシャルディスタンス無しでの劇場再開を意味する)へ向けての前進を希望、それを年末までには成し遂げたいと考えていると語った。

「大規模な屋内イベントも今は視野に入っている。8月以降ソーシャルディスタンスのルールを守ってのイベントが可能になり、ボーンマス・シンフォニーオーケストラやSleeplessのようなミュージカルを観られることになったのは喜ばしいことです。」とDowden。

「一方で、もっと多くの観客が劇場を埋める必要があると思っていて、それは観客の為だけでなく、劇場や劇場関係者の為だけでもなく、都市経済全体を回していくためでもあるのです。ロンドン、ウェストエンドの中心にあるのが演劇でその演劇がないことでその界隈から人の姿も消えてしまいました。」

Dowdenは以前、政府は11月前の劇場のフルスケールでの再開を発表することは考えていないと発言、それにより多くの劇場がクリスマス用のショー、パントマイムを断念することになったのだ。結果として多くの劇場が来年、年明けまでは再開しない方針を固めている。

一方で、政府としては明確な日程は示していないものの、今回「Operation Sleeping Beauty 」と銘打ってクリスマスの家族のお楽しみのため、シアター営業を回復することを目指すとしている。

「ライブの演劇上演のレースから英国が取り残されるのは許せない。もし我々がロンドンの喧騒を、活気ある都市の経済活動を取り戻したいと思うのなら、今こそ文化団体や文化産業にサポートをする必要があるんです。」とDowdenは話す。

Sunday Timesの記事によると政府はソーシャルディスタンス無しでの劇場再開を強く推し進める考えで、早ければ11月1日から様々な制限なしの上演を始めたい意向だと言う。

幅広く、大勢の人々に対する検査を導入するという政府のプランがワクチン開発前の英国で人々の生活を回復させることを願っているし、当日の検査が席を減らすことなく観客を満杯にしての上演の可能性を広げることとなると思うと文化大臣は話す。

「新しいアイディアがキーとなる。それこそがこれまでの全てのシナリオ書き換えることとなり、人々が安全に劇場へ通えるようにするための最適な実験的なアイディアを採用し試してみたいと考えています。例えば技術を駆使した劇場内の換気システムとか、ロンドン・パラディウム劇場とかで試してみようかと考えています。」

「検査はワクチンが開発されるまでの短期的なカギである。我々は早急に新しい形の検査の開発を進めていて、それが実現すれば、当日のコロナウィルス検査で陰性となった人はその晩の劇場に入れるようになるのです」と続けた。

その上で、Dowdenはどんなアプローチにもリスクはつきもので政府は「楽観視はしていない」としながらも「そのリスクは飛行機で席を空けずに座るのと同じです。しかしそこで脅威を軽減すること出来るし、正常な状況を保つように助け合うことも可能なんです。飛行機に乗るのも、コロナで配布された半額クーポンを使って外食するのも、、劇場へ行くのもどこにでも少なからずリスクはあるのです。」