ロンドン屈指のダンス専用劇場Sadler’s Wells(サドラーズウェルズ)から今夏シーズンの豪華プログラムのラインナップが届いた。— ロンドン北部Angelにあるサドラーズウェルズ劇場と姉妹劇場で中心部にあるピーコックシアターのラインナップが挙がっている。
そこには多国籍、多人種の人々が集まるメトロポリスロンドンにふさわしく多種多様な演目が並んでいる。
このところの躍進がめざましいScottish Balletは昨年のエディンバラフェスティバルで絶賛を浴びたコンテンポラリーバレエ作品、「EMERGENCE & MC 14/22 (CECI EST MON CORPS)」を、日本でも人気の高い振付家のAnne Teresa De Keersmaeker率いるベルギーのダンスカンパニーRosasは01年初演のカンパニー代表作(日本では03年にさいたま芸術劇場で上演)「Rain」を上演する。変わったところでは —個人的にはとても興味があって観て見たい— スウェーデン人のマイム演者 Jakop Ahlbomがオランダで00年に立ち上げたカンパニーJakop Ahlbom Companyの「Horror」も面白そうだ。ダンス演劇(Tanztheater)と称することの出来る本作では不幸な幼少期を過ごした少女が生家に戻った際に起きた世にも恐ろしいホラー体験が舞台上で再現されるといった内容で、日本のお化け屋敷さながらの恐怖体験が劇場で体験出来るらしい。(笑いも起こると言うことなので怖さの程度は未確認)
ーーーーこの3作品は6月上旬の上演なので、思い立ったらロンドンへGO!!
それ以降は、インドのカラフルなコンテンポラリーダンス「Taj Express」、ロンドンベースの人気ダンスカンパニーRichard Alston Dance Companyのトリプルビル「Tangent / Chacony / Gypsy Mixture」、14年に創設されたイギリスのニューウェイブカンパニー、デジタルテクノロジーを取り入れた実験的な舞台装置が特徴のAlexander Whitley Dance Company による「8 Minutes」と続き、6月30日、7月1日にはベルギーのコンテンポラリーダンス界の巨匠 Alain Platel / les ballets C de la B の「nicht shlafen」が登場する。グスタフ・マーラーの音楽にインスパイアされて創作した本作ではマーラーが生きた20世紀初頭、ドイツが右傾化していった暗い時代に題材をとりながら、今日の観客へ向けてのメッセージが込められている。
7月から8月にかけては夏にふさわしく、ブエノスアイレスからタンゴ・ミュージカル「Tanguera」が劇場を熱くするといった趣向だ。