1999年の発足以降、新しいグランド・バレエ「クレオパトラ」の創作など、常に日本のバレエ界を牽引してきた熊川哲也率いるK-BALLETカンパニーがこのほど挑むのがコンテンポラリーを主流にした企画 K-BALLET Opto。
<K-BALLET Optoとは> K-BALLETウェブサイトより
K-BALLET Optoは舞踊監督 渡辺レイのもと、K-BALLET ダンサーを基盤に最高峰の振付家によるオリジナル作品や、他ジャンルとのコラボレーションなどダンスの魅力を多角的に捉えた作品でダンス界に新たな光(=Opto)を生み出し、より多くの方々に鮮烈なライブ体験をしていただく機会を提供します。ダンサー達の新たな挑戦と、そこから垣間見える各々の個性をお楽しみください。
第一弾として9月30日、10月1日に神奈川芸術劇場(KAAT)で上演されるのが3人の振付家による3つの小作品「プティ・コレクション─PetitPetitPetit!」。
上演に先駆け、8月下旬、K-BALLETの本拠地である小石川スタジオで、メディアに向けての公開リハーサルが行われた。
公開されたのは3作品のうちの2つ「Petite Ceremonie」と「Petite Barroco」で、ダンサーたちの中にはマスク着用をしながら踊りきる者も多く、スタジ全面を使った激しい動きの圧巻のダンスにメディア陣からは拍手が沸き起こっていた。
最初に披露された「Petite Ceremonie」はイリ・キリアン率いるNDT(ネザーランド・ダンス・シアター)で長年活躍してきたフランス人振付家Medhi Walerski(メディ・ワレルスキー)が2011年に発表した作品。男女15人のダンサーが一糸乱れぬフォーメーション、キレッキレの俊敏さで見事な団体舞踊を展開する。
本番ではエレガントな黒のフォーマルウェアで魅せると言うことで、Opto舞踊監督の渡辺レイは「ぜひダンスの一体感」に注目して欲しいと話す。
続いて、公開されたのが渡辺の振り付けによる「Petite Barroco」。
リハーサル写真からもご覧いただけるように、スティレットヒールを履いた(!!)女性ダンサーが、男性ダンサーたちを従え輝く、渡辺が考える今日の女性(=>女性の解放された自己表現がテーマとなっている)を力強く打ち出した作品。バロック音楽と現代音楽の融合、そしてダンサーたちが「殺人的な振り付け」と称するほどのエネルギー溢れるダンスが観客を目を釘付けにすることは間違いない。
今回、もう一つのPetiteとしてはドイツのレーゲンスブルク歌劇場でヨーロッパ初の日本人初の芸術監督として活躍し(2012-19)、現在は日本に拠点を移し数々の振り付け・演出を手がけている森優貴による「Petite Maison」が用意されている。
この新作について渡辺は「森さんらしいストーリー性のあるものになるのではないか」と話す。
さらに今回の新企画については「K-BALLETのダンサーたちのクラシックバレエの時とは違った表情、テクニックが見えてくるはず。3作品とも全く違う作風となると思っていて、このOptoという試みはダンサーにとってだけでなく、K-BALLETの制作スタッフ、そしてクリエイター(衣装、美術、音響、照明など)たちにとってもとてもこれからに向けての良い経験になると確信している」と笑顔のコメントを残してくれた。
9月30日(金)12:30開演、17:30開演
10月1日(土)12:30開演、17:30開演
会場:神奈川芸術劇場(KAAT) ホール
詳しくは: https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/22_opto_petit