The Guardian紙より抜粋
George Floydの死をきっかけに差別に対する抗議活動が世界中で広がりをみせている。多くの人がこれは瞬間的な反発ではなく、大きなムーブメントとなると見ている。ムーブメントと言えば、その抗議運動の場で展開されるダンス(ムーブメント)にも注目が集まっている。Electric Slide (1976 年に流行ったElectric Boogieの楽曲に合わせて踊るラインダンス)やCupid Shuffle(2007年に流行ったラインダンス)、さらに大流行したMacarena(マカレーナ)やラグビー、ニュージランド代表のhaka (ハカ)など、みんなで揃っての踊りが抗議活動の一体感を盛り上げているようなのだ。
「もしダンスが出来ないのなら、私はその革命には関われないわ」と言ったは20世紀の有名なアナキストでフェミニストのEmma Goldman (エマ・ゴールドマン)だが、ダンスと民衆の抗議活動は昔から切っても切れない関係がある。
ダンスにより沸き起こる陶酔感がその一つの理由であるといえるだろうが、どうもそれだけではないようだ。前述のダンスのビデオクリップを見ればわかるように、これらのダンスは全て集合体で踊られるスタイルで、どうもそのスタイルが様々な立場の違う人々ー黒人、白人、抗議をする人、傍観者、時に警官まで、一つにしてしまうようなのだ。一定の間隔をあけながら連続した動きを続けるこれらのダンスはみんなで協力して集団で作り上げるダンスで、一人でドリブルを仕掛けゴールを狙うような個人技ではないため、言葉なしに集団をまとめる力があるようだ。
とにもかくにも、これらのダンスは暴力的な喧嘩ではない。自発的に、そして平和的に抗議を表現する方法として様々なところで展開されている。フラッシュモブやアートによる抗議イベントと違って権限のない、あくまでも踊っている人たちから湧き出てきたムーブメント(踊り)なのだ。
現段階ではElectric Slideがこの中でも最も人気のあるダンスとなっているようだ。黒人文化に深く根ざしたこのダンス、あなたも覚えて踊ってみては?