観客を減らしての劇場再開には限界がある

crowds in a music venue

(c) Nicole De Khors / Burst

The Guardian新聞より抜粋

イギリスでは来月8月1日から政府が打ち出した対策案に沿ったソーシャルディスタンスを考慮した形式での演劇やコンサートの上演が可能となるのだが、多くの会場が経営面での実行の難しさから反発の声をあげている。

デジタル・文化・メディア・スポーツ省大臣Oliver Dowdenによるとこれは「正常状態へ戻るための道すじ 」として劇場が再開するために発案した5段階プランの4段階目にあたると言う。一方、業界の声としては次の段階に上がるまでに屋内でも屋外でも「もっと多くの観客」を入れる方向へと進まない限り、経営として成り立たないので実際に劇場を再開することはないだろう、ということだ。

Dowdenは「8月から屋内の劇場、音楽会場、興行の催行場などで安全に客を受け入れることになります。。。。政府が先日発した15.7億ポンド(約2100億円)の芸術支援金プラント連携して、我が国にとって重要なこの分野の未来を支えることに役立つでしょう」話す。

今回の対策案としてはソーシャルディスタンスを厳守した形での客席数、e-チケットの使用、徹底した消毒、演者のソーシャルディスタンスの確保、そして入り口数を減らして数カ所に限定することなどが挙げられている。

シアター・トラスト(演劇関係の国家の顧問機関)のJon Morganは今回の決定は喜ばしいことだが、多くの劇場が存続するためには付随する金銭オプションがあって初めて実際の再開が見込まれると話している。

「30〜40%の稼働率では経営的に再開は難しいでしょう。今我々に必要なのは最も重要な5段階目に事を進め、その詳細を知ることです。そうでなければほとんどの劇場は再開には踏みきらないでしょう。多くの劇場がその生き残りの頼みの綱としているクリスマス演目の見込みを立てるためにもこの数週間のうちに最終案を発表してもらいたいです」とMorgan。

デジタル・文化・メディア・スポーツ省はその最終ガイドラインを出すためのパイロットケースとしてロンドンシンフォニーオーケストラのソーシャルディスタンスを厳守した公演などを参考にするとしているが、業界団体であるミュージック・ヴェニュー・トラストは彼らが参考にすると言っている会場の中に一般庶民的なヴェニューが入っていないため、そのガイドラインがどれほど総合的なものとなるのか疑問であるとしている。

「すでに我々から政府へ庶民的な(小規模)ライブハウスの大半がソーシャルディスタンスを守った形でのライブ公演では経営的に成り立たないということの証明を提出しているんです。それなので普通の状態への移行に関しては公演数にあわせての資金援助を要求します。」というのがミュージック・ヴェニュー・トラストの言い分だ。

ライブ・コメディ協会(LCA)が行った最近の調査によると8月1日再開の案は現実的ではなく、お笑い(コメディ)のライブ会場の77%が一年以内に閉鎖することになるだろうという結果が出ている。そのためLCAの副会長は明確なガイドラインと政府の2100億円の支援金の公平な振り分けを望むとしている。

Bectu (クリエイターのための労働組合)のトップPhilippa Childsは政府の支援金がどこの劇場、団体へ配分されるのかついて、その透明性を求めている。

「業界はどの団体が、いくら、そしてそれが貸付金なのか助成金になるのか知りたがっています。その決定にはこの業界で働く人たちの暮らしがかかっているのですから。」

 

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