英国の演劇学校が人種差別問題への言及で逆に謝罪に追い込まれる

(The Guardian紙より抜粋)

A woman covers her face with hands

(c) Matthew Henry

全世界で拡がりをみせるBlack Lives Matter (黒人の命は大切だ)ムーブメントを支援するコメントをSNSで発信しているものの、それは形ばかりであるとの告発を受け、学内での人種差別に対して十分に対処してこなかった、と英国の格式のある演劇学校のいくつかが謝罪を表明した。

その学校とはロンドンにあるRADA(The Royal Academy of Dramatic Art)、Alra(The Academy of Live and Recorded Arts)、The Royal central School of Speech and Drama、リヴァプールのLipa (The Liverpool Institute for Performing Arts)、そしてオックスフォードのThe Oxford School of Dramaで、差別を受けた学生たちがSNSでつぶやいたことからこの事態へ発展した。

The Oxford School of Drama の卒業生である俳優のDipo Olaは在学中に「 間違いの喜劇」のイージオン(商人)を演じていた時に同級生から「奴隷の役を演じていたのか?」と聞かれたと言う。

「同じような人種差別的な経験はその後もずっと続きました。故意の差別は一貫してありましたよ、あそこでは。誰もそれを口にしないというのが問題であり、それに対しての責任を取ろうとしないというのが問題です。」

彼は在学中になんども数学年上の同じく黒人の学生と間違えられたし、BAME(Black, Asian and minority ethnic)有色人種のスタッフが少ないとか白人以外の作家の劇を扱うのが少ないとか発言すると役を降ろされた、と話している。

Lipaの学長Mark Featherstone-Wittyがミネアポリスのジョージ・フロイドの死の直後に出したコメントで「every life matters」と記したことからLipaでは学長のリコール運動が起こった(主旨は違っていたとしても、every life mattersとしたことでBLMの運動の力が削がれてしまうため)。このコメントはすぐに削除されたがLipaの在学生は人種問題が軽んじられる傾向は変わらないし有色人種の生徒が少ないという現実もあると語っている。

RADAの元学生は教師から「黒人の劇作家はいません。ですのでその分野であなたに教えることは出来ません。黒人作家は存在しないのですから」と言われた言うが、それに対して学校側は「我々は全ての黒人学生をサポートしていく所存です、とは言え、我々にはやらなくてはならない課題というのがあることを前提にと付け加えておきますが」とコメントを出している。

Alraの元学生であるLamin Tourayは在学中に明らかに人種差別主義の学友たちと一緒に学ばなければならなくて、毎日が地獄のようだったと語っている。それについて学校サイドは将来はその点が改善されるよう、迅速な対処を検討していくとしている。

Centralの学生Shaniqua Okwokは常に彼女の容姿が取りざたされ、教師からは「あなたは奴隷の役を演じるようになるでしょうけど、それを受け入れなければなりませんよ。それがあなたが持つ生まれながらの特性なんですから」と言われたと振り返る。

前述の俳優として活躍しているOlaは学校のダブルスタンダードを指摘。「彼らには自らの発言に責任を持って欲しいと思います。人々に自分たちは黒人の命を十分に尊重している、なんて嘘をついて欲しくないからです。」と話した。

 

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